健康にも美容にも興味はありません

〔モデル 38才 女性〕
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幸いな事に幼い頃よりほとんど病気らしい病気というものをした記憶がない私には、健康食品なるものを口にする人の気持ちが正直さっぱりわからない。
「あるがまま自然に」というのが私のポリシーであって、もし不調があるなら医者に行くなり寝ているなりすれば、それこそ「自然に」カタが付いていくものじゃないの?

また、これも幸いな事に(自分で言うのもなんだが)容姿に恵まれた方の部類にも入るため、過剰に化粧品に凝ることもしなければ、体型も若い頃とほぼ変わらないため痩せるための努力なんてしたことがない。

だから私にとっては「この世界は恵み豊かな世界」であって、日々の生活の中でいろんな不具合に悩まされる事はあっても結局それらは「自然な時の流れ」が解決してくれるもの、なのだ。「私にとっては」

従って、目の前で聞いたこともない乳酸菌の話をする同じ町内会のBC30子さんの様なタイプと私は、本来接点は持たないはずだった。

なんの事はない。
今、彼女がやや楽しそうにその乳酸菌と腸の話をしているのは、私の発した一言が口火となっているのだから。
「それって、男の人にも良いの?」

それまではあまり話した事はなかったBC30子さんが「腸内環境と乳酸菌の話」からはじまって「腸とストレスの話」に転じ、それから「腸と脳の関連性の話」を説明するのを私は感心しながら聞いていた。へえ、この人ってこんな人だったんだ。

話を切りの良いところで一旦止めた彼女は、微笑みながら私に言う。
「ああ、ごめんなさい。つい熱く語ってしまって。あなた自身は多分こういうものには興味がないのよね?興味の対象はご主人の方かしら?」
「そうなのよ。」
私は、彼女が「私の興味」を話題の中心に切り替えた事に安心して微笑み返した。
「どうも、ストレスや疲れがお腹のほうにくるみたいなのよね。」

「そう。」BC30子さんは、深くうなずいていた。
「まあ、気軽に試してみたら。私これのサイト運営してるから。詳しい事はそこに書いてあるし。」
そう言って私にサイトのURLを書いたメモを渡してもう一度深くうなずいた。

ゆっくりと無言で彼女はうなずいたのだ。
それを見た私は、奇妙な事にこう思ったのだ。
なんと頼もしい、と。

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