欲しいのは若い男の目線

〔モデル 47才 女性〕
saru

単にそういう年代だから、だろうか?
ぶっちゃけた話、私はあの若い男が時折見せてはすぐ引っ込める
破廉恥で
無遠慮で
下世話で
失礼極まりない
あの目線を自分に集めたい、そしてそれを思う様吸い取りたい、という底なしの欲望に取り憑かれていた。

若い頃の私なら、そうした自分を恥じて、時には罪悪感さえ抱いたかもしれないが今の私はそうではない。夫はとうに私を女としては見ていないし、子供はもうあまり手がかからない。
そして、私の勤める職場にはわんさかと若い男の子達が出入りしているのだ、幸か不幸か。

「女として生まれたからには!」
私のこのふしだらな願望の根底にあるのはこの思いである。
思う存分、老いさらばえるその前にこの性を謳歌せずにはおくものか、という考え。
そうしなければ、どこか自分に嘘をついたまま死ぬのでは?という強迫観念さえ私にはあった。
だから、もっと食い散らかさなくっちゃ♪
スリットの深いスカート、胸元を強調するチュニック、どう考えても大胆すぎる下着を隠して。

「ええ、お望みのものは御座いますわよ。」
ゆったりとした口調で応えるBC30子という女性は私より年下のはずだが、初対面では年上に見えた。
というのも、同じ食い散らかし系の同僚から紹介されたこの人に私が抱いた第一印象は
「やり手ばばあ」であったから。

「もっと体の芯から輝いて『異性の目を引く』」。それに役立つもの。
そんな、いわば年甲斐もない欲求がいかなる性質のものであるかをこの女は「完全に理解していた」。
そう直感させる応え方、であったのだ。

「なら、いただきたいわ、いえ売って頂戴。どうすれば良いのかしら?」
何も隠す必要が無い事が私を率直にさせていた。今カッコつけてどーするの?「女として生まれたからには」。
あ、でも商品が何なのか、まだ聞いてなかったわね。。

「モノは乳酸菌、それも日本ではあまり知られていない乳酸菌のサプリメントです。」
間髪入れずBC30子は私の穴を埋めるように後追いの説明を施す。うふふ。なんと気持ちの良い。
そして、
「それに関するウェブサイトはコチラにありますのでそちらからお申し込みいただければ幸いです。」
と端的に付け加えメモを私に渡した。それだけだった。

あまりに素晴らしいムダのない受け答えに私は思わず「ありがとう!」と微笑まずにはいられなかった。

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