何は無くともリラックス

〔モデル 29歳 男性〕
脳
金融関係の仕事はストレスがたまりやすい。それはあらかじめわかっていたことだったが、生まれて初めて「ぐっすりと眠れない」という事態におそわれた私は、さすがに困惑した。
というのも、そういうことを経験したことが今までなかったから。いたって寝つきの良い私はごろっと横になれば朝まで目覚めるということはなかったのだが、最近はちょっとした物音で目が覚めてしまう。そのせいか午後には眠くてしょうがない。夕方には仕事の効率がひどく落ちている。そんなことが続いていた。

はっきり言って、私は同僚よりも有能であったから多少効率が落ちてもそれはそうそう傍目から見て認識できるレベルのものではなかったが、それよりも私が懸念したのは「注意不足からいつか近いうちに致命的なミスをしてしまうのではないか?」という点であった。予感がある、だから対策を打つのは当然だ。

「腸脳相関ってご存知かしら?」
ストレスリリーフ目的のサプリメント、という私のリクエストに対して、知人の知人であるBC30子というこの女性は意外な方向からの提案を試みるつもりのようである。

「脳腸相関ではなくて?」
私は聞き返す。
てっきりハーブ系のサプリメントかと思っていたが
プロバイオティクスか。。

「さすが、ね。日本の最近の研究ではそちら語の方がよく使われているようね。知性に偏重してるみたいで私の好みではないってだけだけど同じ事よ。」

私は静かに頷いた。そうすることがこの女性に侮られない最善手だと知っていたからである。

そんな私の様子を見て、彼女は厳かにそしてしずやかに踏み込んできた。
「腸と脳との相関ってまあまだまだ知られてはいないのだけれど、腸の状態を整える事が全体のバランスを整えることにつながる、と。それが私の提案ね。」
そう言ってURLを書いたメモを手渡した。

「いくつもあるプロバイオティクスのプロダクトの中で何故これを選んだのか、多分あなたならわかると思うわよ。」
それが挑発であることは勿論わかっていたが、冷静に考えてそれに乗る方が現状の私にはメリットが大きい事はあまりにも明らか、だった。

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